今月の臨床 子宮頸がん撲滅へ向けた戦略―ワクチンと検診の新たなトレンドは?
HPVワクチン
本邦のHPVワクチン接種事業の変遷
井箟 一彦
1
,
岩橋 尚幸
1
,
八幡 環
1
,
堀内 優子
1
,
馬淵 泰士
1
1和歌山県立医科大学産科婦人科学教室
キーワード:
子宮頸がん
,
HPVワクチン
,
接種率
Keyword:
子宮頸がん
,
HPVワクチン
,
接種率
pp.504-512
発行日 2024年6月10日
Published Date 2024/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409211275
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●日本では2013年4月よりHPVワクチンが定期接種となったが,接種後の多様な症状の報告が因果関係の科学的根拠を欠いたまま広がり,同年6月より8年以上もの間,積極的勧奨の差し控えが継続した.そのため,世界的な子宮頸がん予防戦略から大きく後れをとった.
●2022年4月にHPVワクチンの積極的勧奨が再開し,同時に接種機会を逃した世代への公費によるキャッチアップ接種が導入され,2023年4月からは9価ワクチンの定期接種が開始されている.
●今後の課題として,HPVワクチンの意義の啓発・最新情報の発信による国民の信頼回復,定期接種世代の接種率の増加,男性への定期接種導入,接種後の症状に対する診療体制の担保が挙げられる.
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