特集 小児科医のためのHPVワクチンUPDATE
2.国内における子宮頸がんとHPVワクチンの状況
宮城 悦子
1
,
助川 明子
1
,
水島 大一
1
,
中安 優奈
1
,
工藤 梨沙
2
,
榎本 隆之
2
,
上田 豊
3
,
川名 敬
4
1横浜市立大学大学院医学部産婦人科学教室
2新潟大学医学部産科婦人科学教室
3大阪大学産科学婦人科学
4日本大学医学部産婦人科
キーワード:
子宮頸がん
,
ヒトパピローマウイルス
,
HPVワクチン
,
効果
,
安全性
Keyword:
子宮頸がん
,
ヒトパピローマウイルス
,
HPVワクチン
,
効果
,
安全性
pp.538-543
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001744
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子宮頸がんは,1次予防としてのHPVワクチン接種と2次予防としての高度前がん病変を検出可能な検診の組み合わせで,将来的に排除されうる疾患となった.しかし,日本では,機能性身体症状とされる副反応問題による2013年からの積極的接種勧奨の差し控えにより,接種率はほぼゼロに近い状況であることに加え,検診受診率も約40%と低迷している.本邦で若い女性に罹患リスクが高い本疾患の罹患率・死亡率を減らすために,早期の積極的接種勧奨再開は必須であるが,高い接種率を回復することは容易ではないと考えられる.一方で2020年以降に,4価HPVワクチンの男性への適応拡大,9価HPVワクチンの発売があり,適切な情報の国民への周知が喫緊の課題である.
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