特集 小児感染症の今
わが国におけるHPVワクチンの現状と課題
小谷 知紘
1
,
八木 麻未
1
,
上田 豊
2
,
木村 正
3
1大阪大学大学院医学系研究科産科学婦人科学教室
2大阪大学大学院医学系研究科産科学婦人科学講師
3大阪大学大学院医学系研究科産科学婦人科学教授
キーワード:
HPVワクチン
,
子宮頸がん
,
定期接種
,
積極的勧奨
,
9価ワクチン
Keyword:
HPVワクチン
,
子宮頸がん
,
定期接種
,
積極的勧奨
,
9価ワクチン
pp.56-60
発行日 2021年8月20日
Published Date 2021/8/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.39.08_0056-0060
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ヒトパピローマウイルスワクチン(HPVワクチン)は,特定のヒトパピローマウイルス(human papillomavirus:HPV)の持続感染を予防するワクチンである。HPV持続感染は主に子宮頸がんの発生と深い関係があるが,その他にも外陰がん,中咽頭がん,肛門がんとの関連も指摘されている。子宮頸がんのスクリーニング率が比較的高い米国と英国では,子宮頸がんの診断と死亡率が低下し続けており,今後,HPVウイルスによってさらなる減少が期待されているが1),わが国においては2013年にHPVワクチン接種の積極的勧奨が停止されており,ワクチン接種率の低下に伴い今後は子宮頸がんの増加が危惧される。本稿では,子宮頸がんに焦点を当てて,HPVワクチンの日本での現状および今後の展望について概説する。「KEY WORDS」HPVワクチン,子宮頸がん,定期接種,積極的勧奨,9価ワクチン
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