雑誌文献を検索します。書籍を検索する際には「書籍検索」を選択してください。

Journal of Clinical and Experimental Medicine Volume 280, Issue 6 （February 2022）

医学のあゆみ 280巻6号（2022年2月発行）

Japanese English

第1土曜特集結核と非結核性抗酸菌症Up to Date――診断，治療，感染対策，発病予防

非結核性抗酸菌症

肺Mycobacterium Abscessus Complex症の治療 Treatment of Mycobacterium abscessus complex pulmonary disease 川島正裕 ¹ Masahiro KAWASHIMA ¹ ¹国立病院機構東京病院呼吸器センター呼吸器内科キーワード： Mycobacterium abscessus（M. abscessus） , M. massiliense , マクロライド耐性 , erm（41）遺伝子 , rrl（23S rRNA）遺伝子 Keyword: Mycobacterium abscessus（M. abscessus） , M. massiliense , マクロライド耐性 , erm（41）遺伝子 , rrl（23S rRNA）遺伝子 pp.713-720

発行日 2022年2月5日 Published Date 2022/2/5

DOI https://doi.org/10.32118/ayu28006713

PDF(2321KB)

有料閲覧

Abstract 文献概要
1ページ目 Look Inside
参考文献 Reference

　Mycobacterium abscessus complexは抗酸菌属のなかで迅速発育菌（RGM）群に属し，M. abscessus，M. massiliense，M. bolletiiの近縁の3亜種の総称である．これらによる肺M. abscessus complex症は，わが国のみならず世界的に増加傾向にある肺非結核性抗酸菌（NTM）症である．化学療法の中心となるマクロライドに対する薬剤感受性が，erythromycin ribosomal methylase（erm）遺伝子による誘導耐性やrrl遺伝子の点突然変異による獲得耐性により規定され，とくにM. abscessusではマクロライド耐性は高率である．3亜種ともほとんどの抗結核薬に自然耐性を有し，確立された治療レジメンのない治療困難な肺NTM症である．欧米の肺NTM症治療ガイドラインでM. abscessus complexに対し投与推奨となっている薬剤のうち，わが国で使用可能な薬剤は限定されている現状を踏まえ，化学療法を中心に概説する．