特集 結核・非結核性抗酸菌症—エキスパートが教える 実臨床に役立つ最新知見
Ⅰ.結核・非結核性抗酸菌症の臨床
肺非結核性抗酸菌症(MAC, M. abscessus complex以外)の治療
朝倉 崇徳
1
,
長谷川 直樹
2
1国立感染症研究所ハンセン病研究センター
2慶應義塾大学医学部感染制御センター
pp.623-629
発行日 2018年11月1日
Published Date 2018/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1437200193
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Point
・肺Mycobacterium avium complex(MAC)症の治療後や治療経過中に呼吸器系検体から新たな菌種が検出される場合があり,定期的に検出菌の同定検査を考慮すべきである.
・肺M. kansasii症は日本では肺MAC症に次ぐ頻度であり,肺結核症との鑑別が問題になる.
・稀なNTM症に遭遇した際には,混入・定着か真の起因菌かを慎重に判断する必要がある.
・特にM. gordonae,M. fortuitumに関しては比較的分離頻度が高いものの,混入・定着である可能性が高い.
・全身症状,空洞を有する症例,経時的に増悪する症例では可能な限り専門機関に相談し,分子生物学的手法で菌を同定することが望ましい.
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