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第1土曜特集 ワクチン設計のサイエンス
総論
粘膜面における獲得免疫と感染防御
Acquired immunity and defense for infection at mucosal surfaces
細見 晃司
1
,
國澤 純
1,2,3,4,5,6,7,8,9,10
Koji HOSOMI
1
,
Jun KUNISAWA
1,2,3,4,5,6,7,8,9,10
1国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所ワクチン・アジュバント研究センターワクチンマテリアルプロジェクト
2同腸内環境システムプロジェクト
3大阪大学大学院医学系研究科
4同薬学研究科
5同歯学研究科
6同理学研究科
7東京大学医科学研究所国際粘膜ワクチン開発研究センター
8神戸大学大学院医学研究科
9広島大学医歯薬保健学研究科
10早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構
キーワード:
IgA抗体
,
粘膜関連リンパ組織
,
共生菌
,
ビタミン
,
脂質メディエーター
Keyword:
IgA抗体
,
粘膜関連リンパ組織
,
共生菌
,
ビタミン
,
脂質メディエーター
pp.937-942
発行日 2021年12月4日
Published Date 2021/12/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27910937
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粘膜組織では,分泌型IgA抗体を中心とするユニークな免疫システムが発達しており,外界からの病原体の感染に対する生体防御を担っている.粘膜免疫応答は,腸管のパイエル板や呼吸器の鼻咽腔関連リンパ組織などの粘膜関連リンパ組織において誘導され,その組織形成や機能発達には常在微生物や食品成分などの外界からの刺激が必要不可欠である.そのため,粘膜免疫応答の誘導を目的とする粘膜ワクチンの効果は,これら環境要因の影響を受けることになる.本稿では,粘膜免疫システムによる感染防御機構について概説し,環境要因による粘膜免疫応答の制御メカニズムやワクチン効果への影響について,筆者らの最新の知見を交えながら解説したい.
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