綜説
腸内免疫学から考える新しいワクチン学
細見 晃司
1
,
國澤 純
1,2,3,4
1医薬基盤・健康・栄養研究所 ワクチン・アジュバント研究センター ワクチンマテリアルプロジェクト/腸内環境システムプロジェクト
2東京大学医科学研究所 国際粘膜ワクチン開発研究センター
3大阪大学大学院医学系研究科・薬学研究科・歯学研究科
4神戸大学大学院医学研究科
キーワード:
IgA抗体
,
パイエル板
,
腸内細菌
,
ビタミン
,
脂肪酸
Keyword:
IgA抗体
,
パイエル板
,
腸内細菌
,
ビタミン
,
脂肪酸
pp.1545-1552
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001514
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ワクチンは感染症を制御するために最も有効で優れた方法の一つである.しかし,ワクチンの効果には個人差や地域差があり,その要因として,ワクチンを受ける個人の腸内細菌や食事の違いが影響していることが明らかになってきている.腸内細菌や食事から摂取する栄養成分は宿主免疫の発達や機能制御において重要な役割を担っていることから,ワクチンに対する免疫応答にも影響している.本稿では,ワクチン効果,とくに経口ワクチンに対する免疫応答における腸内細菌や食事・栄養の影響とその作用メカニズムについて,筆者らの研究成果を交えながら,関連領域の最新の知見を紹介したい.
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