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第1土曜特集 ワクチン設計のサイエンス
総論
COVID-19からみえた獲得免疫記憶の特性
New aspects of acquired immune memory revealed by COVID-19
高橋 宜聖
1
Yoshimasa TAKAHASHI
1
1国立感染症研究所 治療薬・ワクチン開発研究センター
キーワード:
抗体
,
記憶リンパ球
,
免疫指標
,
ワクチン予防効果
Keyword:
抗体
,
記憶リンパ球
,
免疫指標
,
ワクチン予防効果
pp.933-936
発行日 2021年12月4日
Published Date 2021/12/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27910933
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予防用ワクチンは,感染症を患うことなく免疫記憶を獲得するための免疫療法である.免疫記憶は主に抗体と記憶リンパ球から構成され,協調的に作用することで感染した病原体を多段階で排除する.ただし,これらの免疫記憶因子がどのように獲得され,維持され,そしてワクチンの予防効果に寄与するのか,とくにヒトでの情報が欠如している.新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の発生に伴い,感染者やワクチン接種者を対象とした免疫研究が集中的に行われ,ワクチン奏効機序に関わる新たな免疫学的知見が集積しつつある.本稿では,ワクチンの設計や接種の際に免疫指標候補となる抗体と記憶リンパ球に焦点を当て,SARS-CoV-2から見出された最新データを解説する.
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