今月の主題 内科最近の話題
アレルギー・膠原病
粘膜の免疫防御機構
河合 忠
1
1日大・臨床病理
pp.468-469
発行日 1973年4月10日
Published Date 1973/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204695
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はじめに
粘膜は,皮膚と同じように,直接または間接的に外界と接触し,体の内部環境を被覆しており,様々な外界からの感染源あるいは抗原物質にさらされている.それにもかかわらず,皮膚と異なって,機械的抵抗がきわめて弱い.しかし,幸にして粘膜には特有な免疫抵抗性が備わっているのである.
粘膜に局所免疫機構が存在するであろうという考え方はすでに1922年頃からあったが,最近の免疫学の進歩によってさらに具体的に解明されつつある.現在,もっとも大きな役割を果たしていると考えられるのは,分泌性IgA, IgEおよび小リンパ球である.以下これらの因子について新しい知見をまとめてみよう.
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