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第5土曜特集 超高齢社会を支える医学・医療の提案
基礎老化研究
臓器間ネットワークと個体・臓器老化
Inter-organ communication involved in whole-body and organ aging
片桐 秀樹
1
Hideki KATAGIRI
1
1東北大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科学分野
キーワード:
臓器連関
,
恒常性
,
適応修復機構
,
個体老化
,
神経ネットワーク
Keyword:
臓器連関
,
恒常性
,
適応修復機構
,
個体老化
,
神経ネットワーク
pp.370-373
発行日 2021年10月30日
Published Date 2021/10/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27905370
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哺乳類において,種々の臓器や組織は,ほぼ同じ時相で加齢に伴う機能低下をきたし,また,この時相自体は種の寿命に応じていると考えられる.このことは,臓器をまたいで機能する老化制御機構が存在し,全身各臓器に共通した影響を与え,個体の老化・寿命の大きな規定因子となっていることを強く示唆する.これに関与する仕組みとしては,神経系と血中因子系,免疫炎症系などの臓器間ネットワーク機構が想定されるとともに,これらのシステム間でもまた互いに影響を与え合っていることが明らかとなりつつある.さらに,この臓器間ネットワークを統御する役割を有する中枢神経系もまた,個体老化に重要である.個体レベルでの老化の理解に向け,老化に関わる臓器連関システムの解明が活発に行われており,なかには,それを応用した抗老化手法の社会実装が現実のものとなりつつあるものもある.
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