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第1土曜特集 生体システムのレジリエンス――神経–免疫–内分泌連関から探る適応と修復のメカニズム
臓器間神経ネットワークによる糖代謝調節機構
Regulation of systemic glucose and energy metabolism through the inter-organ neuronal network
木幡 将人
1,2
,
片桐 秀樹
1,2
Masato KOHATA
1,2
,
Hideki KATAGIRI
1,2
1東北大学大学院医学系研究科糖尿病代謝・内分泌内科学分野
2東北大学病院糖尿病代謝・内分泌科
キーワード:
臓器間ネットワーク
,
糖代謝
,
恒常性
,
自律神経
,
肥満
Keyword:
臓器間ネットワーク
,
糖代謝
,
恒常性
,
自律神経
,
肥満
pp.39-44
発行日 2025年10月4日
Published Date 2025/10/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295010039
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臓器間ネットワークとは,全身の各臓器や組織が液性因子や神経因子のシグナルを介して相互に影響しあい,生体内で生じた変化に対して個体の恒常性を維持するために働く協調的なメカニズムである.1つの臓器や組織での変化が,他の臓器へどのように影響を及ぼすのか研究を進めることは,未知のメカニズムの解明につながり,元来身体に備わっているメカニズムを操作することによる新しい治療戦略の開発など,さまざまな疾患の予防や治療への応用が期待される.さらに,これらのメカニズムは恒常性を維持する働きを持つと考えられることから,個体はどのように正常な状態を保ち,生き延びていくのかという生命科学の本質的な理解にもつながると考えられる.本稿では,主にこれまで当研究室が明らかにしてきた求心性・遠心性からなる自律神経を介した中枢神経,脂肪組織,肝臓,膵β細胞などをつなぐ臓器間神経ネットワークについて概説する.

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