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特集 急性白血病と骨髄異形成症候群に対する分子標的治療
【各論】
急性リンパ性白血病に対する分子標的治療
Molecular targeted therapy for acute lymphoblastic leukemia
加藤 光次
1
Koji KATO
1
1九州大学病院血液・腫瘍・心血管内科
キーワード:
急性リンパ性白血病(ALL)
,
分子標的治療
,
inotuzumab ozogamicin
,
blinatumomab
,
キメラ受容体T細胞(CAR-T)
Keyword:
急性リンパ性白血病(ALL)
,
分子標的治療
,
inotuzumab ozogamicin
,
blinatumomab
,
キメラ受容体T細胞(CAR-T)
pp.1107-1112
発行日 2021年9月25日
Published Date 2021/9/25
DOI https://doi.org/10.32118/ayu278131107
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小児急性リンパ性白血病(ALL)は,多剤併用化学療法で高率に完全寛解(CR)と治癒が得られる.一方,成人ALLの初回治療による長期生存は50%前後である.再発・難治ALLの場合,同種造血幹細胞移植で長期予後も得られるが,橋渡しのための再寛解導入化学療法の効果は不十分で,移植で得られる恩恵は限られていた.近年,CD19やCD22などALL細胞表面の抗原を標的とする抗体療法(inotuzumab ozogamicin,blinatumomab)やキメラ受容体T細胞(CAR-T)療法など,高い治療効果が期待される分子標的治療の臨床導入が進み,再発・難治ALLの治療戦略の一翼を担っている.さらに,これらの薬剤を初期治療から組み込む方向でも臨床開発が進んでいる.分子標的治療の導入により,長らく停滞していた成人ALLの治療は大きく変わりつつあり,今後さらなる治療成績の向上が期待されている.
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