特集 小児・AYA世代がん診療の現在と未来
Ⅱ.造血器腫瘍の現在と未来
B前駆細胞性急性リンパ性白血病
森谷 邦彦
1
1防衛医科大学校小児科
キーワード:
急性リンパ性白血病(ALL)
,
予後因子
,
微小残存病変(MRD)
,
免疫療法
Keyword:
急性リンパ性白血病(ALL)
,
予後因子
,
微小残存病変(MRD)
,
免疫療法
pp.897-901
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000000573
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SUMMARY
▷小児急性リンパ性白血病の研究は急速に進歩しており,白血病細胞のbiologyの解明に加えて,その発症に寄与する要因も明らかになってきている.治療成績も飛躍的に向上し,長期生存率は約90%である.
▷治療成績向上の要因は,予後因子に基づいた適切な層別化,感染症対策などの支持療法の進歩,また新規薬剤と既存薬剤の組み合わせを最適化する治療戦略の進化と,多施設共同臨床試験の積み重ねと考えられる.
▷近年,ブリナツモマブ,イノツズマブやCAR-T療法といった免疫を利用した治療が登場し,白血病治療の大きなパラダイムシフトを迎えている.今後は,個々の薬剤の適応および,特異的な副作用の予防や管理法について,さらなる知見の集積が必要と思われる.
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