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第1土曜特集 小児・AYAがんの最前線
AYA・成人B細胞性急性リンパ性白血病の分子基盤の最前線
Front line of the molecular basis of AYA and adults with B-cell acute lymphoblastic leukemia
安田 貴彦
1
Takahiko YASUDA
1
1独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター臨床研究センター高度診断研究部
キーワード:
急性リンパ性白血病(ALL)
,
病型
,
AYA(思春期・若年成人)
,
成人
Keyword:
急性リンパ性白血病(ALL)
,
病型
,
AYA(思春期・若年成人)
,
成人
pp.27-34
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2800127
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小児を中心にB細胞性急性リンパ性白血病(B-ALL)の分子基盤の解明が進み,多くの分子病型の存在が明らかにされた.一方,AYA(思春期・若年成人)・成人のB-ALLは小児とは異なる分子基盤に基づいていると予想され,その病態の解明と予後改善が期待されている.筆者らは,わが国のAYA・成人B-ALL患者(フィラデルフィア染色体陽性を除く)を対象とする大規模なRNA/DNAシーケンスを実施し(n=354),得られた情報をもとに症例の病型分類を行った.その結果,ZNF384転座による病型がわが国B-ALLの最大病型(約22%)であることを明らかにした.また,CDX2遺伝子の高発現とIDH1/2変異を伴う2つのハイリスク病型を新たに発見した.本研究の成果は,わが国B-ALL患者の分子基盤の全体像を明らかにするものであり,今後は臨床現場での診断法の確立と病型に応じた有効な治療法の確立が望まれる.
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