特集 広く浅く知る白血病―令和になってこう変わった
[Chapter 5] もうすぐこうなる! 白血病治療
フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病に抗がん薬はいらない?
藤 重夫
1
1大阪国際がんセンター 血液内科
キーワード:
フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)
,
チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)
,
blinatumomab
Keyword:
フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)
,
チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)
,
blinatumomab
pp.938-941
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika134_938
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★★従来の化学療法では困難であったフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)の治療成績が,チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の登場,さらに最近の報告では古典的な抗がん薬を含まないTKI+blinatumomab併用療法の登場により飛躍的に向上してきている.
★★dasatinib+blinatumomab併用療法やponatinib+blinatumomab併用療法は,Ph+ALL患者において非常に高い奏効率が報告されている.とくにponatinib+blinatumomab併用療法は,同種造血幹細胞移植を施行されている例がほとんどないなかで非常に優れた成績が報告されている点が注目される.
★★これらの治療法は,Ph+ALL患者の予後を大きく改善する可能性が高く,本邦でも導入が進むことが期待される.
★★★:一般内科診療で必要な内容,★★:総合内科専門医試験レベルの内容,★:専門性の高い内容
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