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特集 急性白血病と骨髄異形成症候群に対する分子標的治療
【各論】
フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病の分子標的治療
Targeted therapy for philadelphia chromosome-positive acute lymphoblastic leukemia
岡本 翔
1
,
木村 晋也
1
Sho OKAMOTO
1
,
Shinya KIMURA
1
1佐賀大学医学部内科学講座 血液・呼吸器・腫瘍内科
キーワード:
フィラデルフィア染色体(Ph)
,
急性リンパ性白血病(ALL)
,
チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)
,
抗体医薬品
,
二重特異性T細胞誘導(BiTE)抗体
Keyword:
フィラデルフィア染色体(Ph)
,
急性リンパ性白血病(ALL)
,
チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)
,
抗体医薬品
,
二重特異性T細胞誘導(BiTE)抗体
pp.1113-1119
発行日 2021年9月25日
Published Date 2021/9/25
DOI https://doi.org/10.32118/ayu278131113
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フィラデルフィア染色体(Ph)陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)は,かつてきわめて予後不良な病型であったが,イマチニブをはじめとするABLチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)が使用可能となって以来,分子標的療法と多剤併用化学療法を組み合わせることによって,予後が劇的に改善されており,第二世代,第三世代のABL TKIの登場により,さらに治療成績が向上している.適応のある患者では,第一寛解期での同種造血幹細胞移植(alloHSCT)を施行することが依然として推奨されているが,ABL TKIは同種移植前の治療のみならず,一部では移植後の維持療法として用いられ,再発予防効果も期待されている.また,B細胞性ALLに対する抗体医薬品やキメラ抗原受容体(CAR)-T細胞療法などの免疫療法も臨床応用され,再発・難治例の新たな救援療法が可能となっている.これらの分子標的治療を駆使し,抗がん剤を用いない,次世代のPh+ALL治療も現実味をおびてきている.
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