特集 いま知っておきたい! 内科最新トピックス
第3章 血液・造血器
造血器腫瘍に対する二重特異性モノクローナル抗体と抗体薬物複合体療法
大蔵 美幸
1
,
山内 高弘
1
1福井大学血液・腫瘍内科
キーワード:
blinatumomab
,
二重特異性T細胞誘導(BiTE)抗体
,
inotuzumab ozogamicin
,
抗体薬物複合体(ADC)
Keyword:
blinatumomab
,
二重特異性T細胞誘導(BiTE)抗体
,
inotuzumab ozogamicin
,
抗体薬物複合体(ADC)
pp.444-448
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_444
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Summary
・米国で1997年,本邦では2001年にがんに対する抗体医薬としてB細胞性悪性リンパ腫に対するrituximabが承認されて以降,新たな抗体医薬が次々と開発されている.
・造血器腫瘍に対する抗体医薬で注目を集めているのは,特異な構造により新たな作用機序を有する二重特異性T細胞誘導(BiTE)抗体と抗体薬物複合体(ADC)である.
・2018年にBiTE抗体であるblinatumomabとADCであるinotuzumab ozogamicinの二つが承認され,再発・難治性急性リンパ性白血病の治療成績は大きく向上した.
・2019年にADCであるbrentuximab vedotinは,Hodgkinリンパ腫に加え初発CD30陽性末梢性T細胞リンパ腫に追加承認された.
・現在も数多くの抗体医薬が開発中であり,造血器腫瘍の治療の改善が期待される.
© Nankodo Co., Ltd., 2020