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特集 急性白血病と骨髄異形成症候群に対する分子標的治療
【各論】
APLに対する分子標的治療
Molecular targeted treatment for APL
木口 亨
1
Toru KIGUCHI
1
1獨協医科大学埼玉医療センター糖尿病内分泌・血液内科
キーワード:
レチノイド(ATRA)
,
亜ヒ酸(ATO)
,
タミバロテン
,
ゲムツズマブ オゾガマイシン(GO)
Keyword:
レチノイド(ATRA)
,
亜ヒ酸(ATO)
,
タミバロテン
,
ゲムツズマブ オゾガマイシン(GO)
pp.1102-1106
発行日 2021年9月25日
Published Date 2021/9/25
DOI https://doi.org/10.32118/ayu278131102
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急性前骨髄球性白血病(APL)は,凝固線溶異常を起因とする出血の早期死亡が非常に高いがん救急の代表疾患であるが,1988年に中国からレチノイド(ATRA)が有効であることが報告された.その後のPML-RARA遺伝子変異の分子的作用機序の解明により,ATRAが分子標的薬としての働きがあることが判明した.その機序は,プログラムされた細胞死(アポトーシス)を介した治療法であり,従来の抗がん剤とはまったく異なる,他に例をみない画期的な作用であった.さらに,APLは亜ヒ酸(ATO),ゲムツズマブ オゾガマイシン(GO)と次々に新たな分子標的薬が導入され,現在では分子標的薬の併用のみで治療が試みられるchemo-freeの時代を迎えることになった.APLは,いつの時代でも治療の最先端であると考えられる.そこで,APLに対する分子標的薬の分子的機序と治療について解説をしたい.
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