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特集 若年性認知症――臨床・基礎・社会的支援のstate of arts
若年性認知症の体液バイオマーカー研究
Fluid biomarkers for early-onset dementias
栗原 正典
1
,
岩田 淳
1,2
Masanori KURIHARA
1
,
Atsushi IWATA
1,2
1東京大学大学院医学系研究科神経内科学
2東京都健康長寿医療センター脳神経内科
キーワード:
若年性認知症
,
若年性アルツハイマー病
,
脳脊髄液バイオマーカー
,
血液バイオマーカー
Keyword:
若年性認知症
,
若年性アルツハイマー病
,
脳脊髄液バイオマーカー
,
血液バイオマーカー
pp.1039-1043
発行日 2021年9月18日
Published Date 2021/9/18
DOI https://doi.org/10.32118/ayu278121039
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若年性認知症の早期発見・鑑別・病状評価のためにも,病態に即したバイオマーカーが求められている.本稿では,わが国の若年性認知症の原因のなかでも最多を占め研究が進んでいるアルツハイマー病(AD)を中心に,脳脊髄液・血液バイオマーカー研究の現状をまとめる.ADの脳内で起こっている変化としては,アミロイドβ(Aβ)・tauの蓄積および神経変性が重要な要素だが,脳脊髄液ではそれぞれAβ42濃度の低下,リン酸化tau濃度の上昇,および総tau・ニューロフィラメント軽鎖(NfL)濃度の上昇がみられ,前向きコホート研究の結果からその時間経過も明らかとなっている.また最近は測定系の改良により,血液中に微量に存在するこれらのタンパクを測定することで,精度よく脳内のAD病態を評価できることが相次いで報告され,より低侵襲で簡便に測定できることから,今後,臨床での実用化が期待されている.
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