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特集 若年性認知症――臨床・基礎・社会的支援のstate of arts
行動症状が優勢な若年性認知症の治療と社会的支援
-――自立支援医療制度の問題点を含めて
Management and social support for young onset dementia with behavioral disturbance
川勝 忍
1
,
小林 良太
2
,
大谷 浩一
2
Shinobu KAWAKATSU
1
,
Ryota KOBAYASHI
2
,
Koichi OTANI
2
1福島県立医科大学会津医療センター精神医学講座
2山形大学医学部精神科
キーワード:
前頭側頭型認知症(FTD)
,
若年性アルツハイマー病
,
行動障害
,
自立支援医療
,
社会的支援
Keyword:
前頭側頭型認知症(FTD)
,
若年性アルツハイマー病
,
行動障害
,
自立支援医療
,
社会的支援
pp.1029-1033
発行日 2021年9月18日
Published Date 2021/9/18
DOI https://doi.org/10.32118/ayu278121029
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行動症状が優勢な若年性認知症の代表的疾患は前頭側頭型認知症(FTD)であり,若年性認知症ではアルツハイマー病,血管性認知症に次いで3番目に多い疾患である.FTDの中核となる行動障害は,前頭葉および側頭葉の病変に起因する症状として説明される.治療としては有効な薬物療法はなく,ルーティン化療法などの非薬物療法が一般的である.アルツハイマー病においても過活動-衝動性-易刺激性-脱抑制-攻撃性-興奮(HIDA)を主体とする,病変を特定しにくい行動症状が介護負担として問題になる.この治療も非薬物療法が第一選択であるが,メマンチンは認知症治療薬として,これらの症状改善に有効とされている.無効な場合に非定型抗精神病薬などによる薬物療法が選択される.社会的支援の制度としては自立支援医療制度があるが,実際の使用に関してはいくつかの問題点があることを指摘した.
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