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第1土曜特集 パーキンソン病を解剖する――過去,現在,そして未来へ
診断・症状
パーキンソン病の臨床診断基準
-――種類とその精度(鑑別診断も含む)
Clinical diagnostic criteria in Parkinson’s disease
前田 哲也
1
Tetsuya MAEDA
1
1岩手医科大学医学部内科学講座脳神経内科・老年科分野
キーワード:
パーキンソン病(PD)
,
臨床診断基準
,
Movement Disorder Society
,
英国パーキンソン病協会ブレインバンク(UKPDSBB)
Keyword:
パーキンソン病(PD)
,
臨床診断基準
,
Movement Disorder Society
,
英国パーキンソン病協会ブレインバンク(UKPDSBB)
pp.828-835
発行日 2021年9月4日
Published Date 2021/9/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27810828
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パーキンソン病(PD)の臨床診断基準として,英国パーキンソン病協会ブレインバンク(UKPDSBB)の臨床診断クライテリアが長く世界標準であった.しかし策定から時間が経ち,近年のエビデンスと整合性がとれない事象も認められるようになり問題となっていた.The International Parkinson and Movement Disorder Society(MDS)はこうした事実に鑑み,2014年に診断基準の見直しを提案した.2015年に新たに公表された臨床診断基準は現在の標準的臨床診断基準として広く世界で利用され,過去から現在へのたすきは確実につながれた.MDSは同時に,運動症状発症前状態であるPD,すなわちprodromal PDに対するリサーチクライテリアも公表し,将来期待される疾患修飾薬の開発に向けて準備をはじめた.バイオマーカー研究などは現在も開発の途中にあるため,臨床診断基準もまた改訂が必然である.臨床診断基準はその枠を拡大しながら,未来へつなぐたすきを準備している.
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