Japanese
English
特集 膵炎―診断と治療の最前線
各論
慢性膵炎
慢性膵炎の新しい臨床診断基準
The revised Japanese clinical diagnostic criteria for chronic pancreatitis
片岡 慶正
1
,
廣田 衛久
2
,
下瀬川 徹
2
Keisho KATAOKA
1
,
Morihisa HIROTA
2
,
Tooru SHIMOSEGAWA
2
1大津市民病院
2東北大学医学部 消化器内科
1Otsu Municipal Hospital
2Division of Gastroenterology,Tohoku University Graduate School of Medicine
キーワード:
慢性膵炎
,
臨床診断基準
,
画像所見
,
臨床徴候
,
早期慢性膵炎
Keyword:
慢性膵炎
,
臨床診断基準
,
画像所見
,
臨床徴候
,
早期慢性膵炎
pp.697-703
発行日 2011年11月15日
Published Date 2011/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100489
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要旨
慢性膵炎臨床診断基準が2009年抜本的に改訂され,はや2年が経過した.従来の診断基準では相当に進行した慢性膵炎しか診断できないという指摘があったが,新たな基準では早期慢性膵炎の疾患概念を導入し,患者の予後改善を念頭においた診断基準となった.成因別にはアルコール性と非アルコール性に大別し,治療により可逆性となる自己免疫性膵炎と閉塞性膵炎を膵の慢性炎症として別個に扱った.全体から評価すれば,基本的には画像所見または組織所見に重きを置く診断体系であるが,反復する上腹部痛,膵酵素値の異常,膵外分泌障害,大量飲酒歴といった臨床徴候を診断基準に採り入れた総合的評価から早期慢性膵炎の診断が可能となった.
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