Japanese
English
特集 活性酸素と酸化ストレス
酸化ストレスとパーキンソン病
Pathogenic role of oxidative stress on Parkinson’s disease
大内 翔悟
1
,
藤巻 基紀
1
,
斉木 臣二
1
Shogo OHUCHI
1
,
Motoki FUJIMAKI
1
,
Shinji SAIKI
1
1筑波大学医学医療系神経内科学
キーワード:
パーキンソン病(PD)
,
酸化ストレス
,
ミトコンドリア呼吸鎖複合体Ⅰ
,
αシヌクレイン(αS)オリゴマー
,
ドパミンキノン(DAキノン)
Keyword:
パーキンソン病(PD)
,
酸化ストレス
,
ミトコンドリア呼吸鎖複合体Ⅰ
,
αシヌクレイン(αS)オリゴマー
,
ドパミンキノン(DAキノン)
pp.238-241
発行日 2024年4月27日
Published Date 2024/4/27
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28904238
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酸化ストレスは “酸化物質と抗酸化物質とのバランスが崩れ,酸化還元シグナル伝達とその制御の破綻によって分子損傷が起こる現象” とされ,パーキンソン病(PD)の神経細胞死に関与する初期病態のひとつである.酸化ストレスはミトコンドリアDNA(mtDNA)の損傷によるミトコンドリア機能障害,αシヌクレイン(αS)オリゴマーの凝集促進,ドパミンの自動酸化の亢進を誘導することが示され,近年,それぞれの病態が相補的に関連することで酸化ストレスおよびドパミン神経細胞の機能障害を誘導し,PDの発症または進行につながることが判明している.今後,PD治療において対症療法のみならずドパミン神経細胞死を予防・抑制できる治療が求められており,酸化ストレスの抑制は有効な治療戦略のひとつと考えられる.本稿では,PDの病因における酸化ストレスの役割について整理することを目的とする.
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