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第5土曜特集 生活習慣病の克服に向けたゲノム医療――ゲノム医科学の進展と精密医療の実現
各論
【精神神経疾患】
非アルツハイマー型認知症
-――前頭側頭型認知症およびレビー小体型認知症を中心に
Non-Alzheimer dementia with focus on frontotemporal dementia and Lewy body dementia
原 範和
1
,
池内 健
1
Norikazu HARA
1
,
Takeshi IKEUCHI
1
1新潟大学脳研究所遺伝子機能解析学分野
キーワード:
前頭側頭型認知症(FTD)
,
前頭側頭葉変性症(FTLD)
,
レビー小体型認知症(DLB)
,
神経病理
,
ゲノムワイド関連解析(GWAS)
Keyword:
前頭側頭型認知症(FTD)
,
前頭側頭葉変性症(FTLD)
,
レビー小体型認知症(DLB)
,
神経病理
,
ゲノムワイド関連解析(GWAS)
pp.451-455
発行日 2021年7月31日
Published Date 2021/7/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27805451
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前頭側頭型認知症(FTD)とレビー小体型認知症(DLB)は,代表的な非アルツハイマー型認知症である.FTDは前頭葉および側頭葉に神経変性が生じ,行動異常や失語など多彩な臨床症状を呈する.DLBは変動する認知障害,幻視,レム睡眠行動異常,パーキンソニズムを中核症状とする.病型により脳内に蓄積するタンパク質が異なっており,FTD患者脳ではタウ陽性あるいはTDP-43陽性の封入体が認められる.DLBではαシヌクレイン陽性のレビー小体が認められる.こうした病理像の違いが生じる一因として,発症に関連する遺伝子が異なることがあげられる.本稿では,FTDとDLBのゲノム解析に関する最近の知見を紹介し,この領域のゲノム医療を展望する.
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