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第5土曜特集 生活習慣病の克服に向けたゲノム医療――ゲノム医科学の進展と精密医療の実現
総論
生活習慣病に対するゲノム健診 by Dr. の実装
Implementation of genomic medical examination for lifestyle-related diseases
高瀬 敦
1
Osamu TAKASE
1
1先端予防メディカルセンターセンター長
キーワード:
ゲノム健診
,
環境要因
,
行動変容
,
エピジェネティクス
Keyword:
ゲノム健診
,
環境要因
,
行動変容
,
エピジェネティクス
pp.359-368
発行日 2021年7月31日
Published Date 2021/7/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27805359
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近年,ゲノム解析の進歩・発展はめざましいものがある.本稿では当センターが行う生活習慣病に対するゲノム健診について述べる.生活習慣病は多因子疾患であり,複数の遺伝要因の積み重ねによってかかりやすさが異なり,さらに加齢に伴う生活様式の変化が特定疾患の環境要因を高め,疾患発症につながる.環境要因はエピジェネティクスに影響を及ぼし,エピジェネティクスは遺伝子の形質発現を促して疾患発症を生じると考えられる.現在,多因子疾患の遺伝情報(ポリジェニックリスク)をすべて解析することは難しく,一部の疾患感受性遺伝子のみでリスク判定をすることが多い.ゲノム健診は個人の家族歴,生活歴,既往歴,検査歴,治療歴,健診結果とゲノム解析結果とを統合解析することで,ゲノム解析の信頼性を増すことができ,また遺伝的栄養素,運動能,代謝能などを活用して疾患に対する生活習慣を是正,個人に最適な行動変容を導くこともできる.人生100年時代に向けてゲノム健診による予防効果は高いと考える.
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