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第5土曜特集 生活習慣病の克服に向けたゲノム医療――ゲノム医科学の進展と精密医療の実現
トピックス
生活習慣病のトランスオミクス解析
Trans-omic analysis of lifestyle diseases
柚木 克之
1,3,4
,
小鍛治 俊也
5
,
角田 達彦
2,4
,
黒田 真也
4
Katsuyuki YUGI
1,3,4
,
Toshiya KOKAJI
5
,
Tatsuhiko TSUNODA
2,4
,
Shinya KURODA
4
1理化学研究所生命医科学研究センター統合細胞システム研究チーム
2同医科学数理研究チーム
3慶應義塾大学先端生命科学研究所
4東京大学大学院理学系研究科
5奈良先端科学技術大学院大学データ駆動型サイエンス創造センター
キーワード:
代謝
,
トランスオミクス
,
遺伝統計学
,
eQTL
,
ゲノムワイド関連解析(GWAS)
Keyword:
代謝
,
トランスオミクス
,
遺伝統計学
,
eQTL
,
ゲノムワイド関連解析(GWAS)
pp.501-509
発行日 2021年7月31日
Published Date 2021/7/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27805501
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臓器における代謝制御の分子的基盤解明のため,マウス肝臓のトランスオミクス研究を行った.マウス肝臓のトランスオミクスネットワークからは,健常マウス(WTマウス)では代謝物質による速い制御経路がより支配的であり,対照的に肥満マウス(ob/obマウス)では遺伝子発現による遅い制御経路が主体であることを見出した.さらに,このトランスオミクスネットワークをゲノムワイド関連解析(GWAS)やeQTL解析により浮上したヒトSNPの機能的解釈に応用した.WTマウスならびに疾患モデルマウス特異的ネットワークに紐づくSNPの機能注釈を用いると,モデルマウス(ここでは例としてob/obマウス)がどのような形質・疾患を潜在的に有しているかを記述できる可能性を示した.また,同一の階層縦断的パスウェイ上に同じ機能注釈を有するSNPが紐づく例を見出し,トランスオミクスネットワークによるSNPの層別化が技術的に可能であることを示した.
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