Japanese
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TOPICS 腎臓内科学
フェロトーシスを標的とした急性腎障害の治療薬の探索
Drugs repurposed as antiferroptosis agents suppress acute kidney injury AKI
三島 英換
1
Eikan MISHIMA
1
1東北大学病院腎高血圧内分泌科,ヘルムホルツ研究センター(ドイツ)
pp.1061-1062
発行日 2021年6月19日
Published Date 2021/6/19
DOI https://doi.org/10.32118/ayu277121061
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フェロトーシス
フェロトーシス(ferroptosis)はアポトーシスとは異なる制御性細胞死の一種であり,過剰な酸化ストレスやグルタチオンの枯渇により細胞内の過酸化脂質が鉄介在性に増加することで誘導される細胞死である1).2012年にその概念が報告されてから急速に研究が進んでいる生命事象である.フェロトーシスは腎臓を含む各臓器の急性組織障害,神経変性疾患などの病態や,抗がん剤感受性などに関与することが知られている2).腎障害においても,フェロトーシスは虚血再灌流障害,薬剤性腎障害,横紋筋融解症誘発腎障害への関与が報告されている.したがってフェロトーシスを制御する薬剤はこれら病態の治療薬となりうる.特異的なフェロトーシスの阻害薬であるFerrostatin-1や鉄キレーターはin vitroの状況ではフェロトーシスを強力に抑制するが,治療応用のためには生体内で有効にフェロトーシスを抑える薬剤の開発が望まれている.
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