Japanese
English
特集 口腔と全身疾患研究の最前線
口腔とフレイル・サルコペニアとの関連
-――口腔健康管理の重要性
Relationship between oral function and frailty/sarcopenia
中川 量晴
1
,
山口 浩平
1
,
戸原 玄
1
Kazuharu NAKAGAWA
1
,
Kohei YAMAGUCHI
1
,
Haruka TOHARA
1
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科摂食嚥下リハビリテーション学分野
キーワード:
高齢者
,
口腔機能
,
QOL
,
フレイル
,
サルコペニア
Keyword:
高齢者
,
口腔機能
,
QOL
,
フレイル
,
サルコペニア
pp.1056-1060
発行日 2021年6月19日
Published Date 2021/6/19
DOI https://doi.org/10.32118/ayu277121056
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フレイル(frailty)は心身の虚弱状態であり,その前段階であるプレフレイル,さらに虚弱が進行したサルコペニア(sarcopenia)など,老年医学においては身体機能の低下や心理的,社会的ストレスを受けやすい高齢者の多様な健康状態をこれらの用語で表現している.口腔の健康状態とフレイル・サルコペニアの関連性は横断的・縦断的な多くの研究から解明されている.その結果,医科と歯科の連携,情報共有がフレイル・サルコペニアの早期発見や進行予防,それに関わる嚥下障害などの機能障害の予防に有益であるとの結論が導かれている.また,口腔機能低下はフレイル・サルコペニア,身体機能障害,死亡の関連因子であることが示された.口腔機能とサルコペニアが密接に関連する要因について,歯の欠損の影響,加齢に伴う内分泌機能低下や筋細胞に関する生理的変化の影響など,最新の研究で得られた知見を交えて解説する.
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