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特集 フェロトーシス(鉄依存性細胞死)――そのメカニズムの解明と,治療への応用
フェロトーシスとセレン代謝
Ferroptosis and selenium metabolism
藤田 宏明
1
,
岩井 一宏
1
Hiroaki FUJITA
1
,
Kazuhiro IWAI
1
1京都大学大学院医学研究科細胞機能制御学
キーワード:
セレン
,
セレノシステイン
,
セレンタンパク質
,
GPX4(glutathione peroxidase 4)
Keyword:
セレン
,
セレノシステイン
,
セレンタンパク質
,
GPX4(glutathione peroxidase 4)
pp.136-139
発行日 2024年7月13日
Published Date 2024/7/13
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290020136
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セレンは酸素,硫黄と同じ周期表の16族に属する,われわれの生命の維持に必須な微量元素である.セレンは21番目のアミノ酸として知られるセレノシステインとして特殊な翻訳系を介してタンパク質へと組み込まれ,その反応性の高さから主に酸化物の除去を行い,細胞のレドックス環境の維持に働く.フェロトーシスのマスターレギュレーターであるGPX4(glutathione peroxidase 4)もセレノシステイン含有タンパク質(セレンタンパク質)であり,活性中心のセレノシステインで過酸化脂質の除去に関与する.近年,フェロトーシスとの関連からセレンタンパク質合成系の解析が精力的に行われ,新たな局面を迎えつつある.本稿では,セレノシステイン,セレンタンパク質について概説した後,フェロトーシスとの関連について最新の知見を交えて紹介する.
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