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第10章 腎臓
[腎臓病]腎臓病の治療標的としてのフェロトーシス細胞死
三島 英換
1,2
1ヘルムホルツセンターミュンヘン
2東北大学大学院 医学系研究科腎膠原病内分泌内科学分野
キーワード:
脂質酸化
,
グルタチオンペルオキシダーゼ4(GPX4)
,
フェロトーシスサプレッサープロテイン1(FSP1)
Keyword:
脂質酸化
,
グルタチオンペルオキシダーゼ4(GPX4)
,
フェロトーシスサプレッサープロテイン1(FSP1)
pp.793-798
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika134_793
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Summary
・フェロトーシスは,脂質酸化依存性の細胞死の一種であり,急性腎障害(AKI)や慢性腎臓病(CKD)を含むさまざまな腎臓病の病態への関与が報告されている.
・とくに,腎虚血再灌流障害(IRI)や腎毒性物質による尿細管壊死などの病態に深く関与する.
・フェロトーシスの抑制は,AKIなどのフェロトーシスが関与する病態の治療戦略として期待されている.
・フェロトーシスを阻害するには,抗酸化化合物による脂質ラジカルの捕捉や,グルタチオンペルオキシダーゼ4(GPX4)やフェロトーシスサプレッサープロテイン1(FSP1)などのフェロトーシス防御経路の増強するアプローチが期待されている.
© Nankodo Co., Ltd., 2024