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特集 フェロトーシス(鉄依存性細胞死)――そのメカニズムの解明と,治療への応用
酸化脂質とフェロトーシス惹起
Oxidized lipid and ferroptosis induction
斎元 祐真
1
,
山田 健一
1
Yuma SAIMOTO
1
,
Ken-ichi YAMADA
1
1九州大学大学院薬学研究院分子病態解析分野
キーワード:
脂質過酸化反応
,
酸化脂質
,
分子イメージング
,
構造解析
Keyword:
脂質過酸化反応
,
酸化脂質
,
分子イメージング
,
構造解析
pp.132-135
発行日 2024年7月13日
Published Date 2024/7/13
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290020132
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脂質過酸化反応に起因する細胞死機序であるフェロトーシスは,がんや神経変性疾患の新たな治療標的として注目されており,近年,急速に研究が進展している.なかでも,脂質過酸化反応の惹起や抑制メカニズムについては活発に研究が行われ,現在までに遊離二価鉄量の調節,膜リン脂質の不飽和度の制御,還元酵素による脂質過酸化反応の抑制がフェロトーシス制御に関わることが明らかにされてきた.さらに,フェロトーシスの最終過程において形質膜で細孔が形成され,浸透圧の膨張を引き起こすこともわかってきている.しかし,細胞内のどの部位で脂質過酸化反応が惹起され細胞死へと至るのか,またフェロトーシスの実行分子が何かについてはいまだ解明されていない.本稿ではフェロトーシス惹起メカニズムとして,まず脂質過酸化反応の誘導メカニズムをまとめ,細胞死実行因子としての酸化脂質研究の現状と課題点について概説したい.
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