Japanese
English
第1土曜特集 CAR-T細胞療法の現在と将来展望
合併症マネジメント
遷延性血球減少症
Prolonged cytopenia after CAR-T therapy
藤井 伸治
1
Nobuharu FUJII
1
1岡山大学病院輸血部
キーワード:
CAR-T細胞療法
,
遷延性血球減少
,
好中球減少
,
血小板減少
Keyword:
CAR-T細胞療法
,
遷延性血球減少
,
好中球減少
,
血小板減少
pp.935-939
発行日 2021年6月5日
Published Date 2021/6/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27710935
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キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞療法後の血球減少症は,従来われわれが経験してきた化学療法や造血幹細胞移植(HSCT)後の血球減少と異なる.リンパ球除去療法の影響を受けCAR-T細胞投与後にみられる血球減少は3週間前後でいったん改善するが,その後ふたたび減少傾向となる症例がみられる.多くの場合,CAR-T細胞投与後3カ月の段階では改善しているが,一年が経過してもなお未回復の症例があり,注意を要する.このような遷延性血球減少の正確な機序は解明されていないが,HSCTの既往,高いグレードのサイトカイン放出症候群(CRS)がリスクになることが報告されている.血球減少が遷延する場合は感染症予防の継続が必要となるが,その期間については明確な基準がない.好中球減少が改善した場合でも,CD4+T細胞が回復していない症例があり,低ガンマグロブリン血症への対応とともに慎重な対応が必要となる.
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