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特集 新規心不全治療薬の使い方
心不全に対するイバブラジン
Ivabradine for heart failure
坂本 隆史
1
,
井手 友美
2
Takafumi SAKAMOTO
1
,
Tomomi IDE
2
1九州大学病院循環器内科
2同医学研究院循環器病病態治療講座
キーワード:
イバブラジン
,
心拍数
,
慢性心不全
Keyword:
イバブラジン
,
心拍数
,
慢性心不全
pp.261-267
発行日 2021年4月24日
Published Date 2021/4/24
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27704261
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心臓は固有の心拍数(IHR)に自律神経やカテコールアミンが修飾することにより時々刻々と変化している.心拍数の変化はそのまま血行動態の変化となり,循環に影響する.心不全においては心ポンプ機能の低下により神経体液性因子が賦活化し,心拍数は増加する.この心拍数の増加だけでなく介入による心拍数の変化は心不全の独立した予測因子であり,治療ターゲットとなる.選択的If電流阻害薬であるイバブラジンは心拍数のみを減少させるため,新しい心不全治療薬として期待された.洞調律で安静時心拍数75bpm以上の左室駆出率の低下した心不全(HFrEF)を対象として行われたSHIFT試験では,イバブラジンはプラセボと比較して主要エンドポイントである心血管死および心不全増悪による入院を有意に抑制した.また,わが国で行われたJ-SHIFT試験でも心不全増悪による入院の減少が示された.本稿では,欧米でのガイドラインでの位置づけ,臨床での実際の使用や展望,副作用などについてもまとめた.
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