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特集 新規心不全治療薬の使い方
サクビトリルバルサルタンは心不全の標準治療薬となるのか?
The possibility of sacubitril/valsartan as optimal therapy for heart failure
大西 勝也
1
Katsuya ONISHI
1
1大西内科ハートクリニック院長
キーワード:
サクビトリルバルサルタン
,
ネプリライシン(NEP)
,
アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)
,
心不全
Keyword:
サクビトリルバルサルタン
,
ネプリライシン(NEP)
,
アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)
,
心不全
pp.268-274
発行日 2021年4月24日
Published Date 2021/4/24
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27704268
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ネプリライシン(NEP)を抑制することによりナトリウム利尿ペプチドを増加させ,アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)によりアンジオテンシンⅡ(AngⅡ)の効果を抑制するアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)であるサクビトリルバルサルタン(sacubitril/valsartan)が,心不全の治療薬として臨床応用されている.サクビトリルバルサルタンは血管拡張作用とナトリウム利尿作用による左室機能の改善により生じる心不全症状の改善だけではなく,AngⅡやアルドステロンの効果を抑制し,ナトリウム利尿ペプチドやブラジキニンを増加させることによる左室リモデリングの抑制および改善により,心不全患者の生命予後に寄与する.PARADIGM-HFにおいて,高用量のアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬に比べて心血管死または心不全による入院を改善した.今後,心不全の標準治療となる可能性が高い薬剤である.
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