特集 ここが変わった!循環器診療 最新スタンダード
Ⅰ.疾患各論
慢性心不全の薬物治療
奥村 貴裕
1,2
1名古屋大学医学部附属病院重症心不全治療センター
2名古屋大学医学部附属病院循環器内科
キーワード:
ARNI
,
SGLT2阻害薬
,
イバブラジン
,
ベルイシグアト
Keyword:
ARNI
,
SGLT2阻害薬
,
イバブラジン
,
ベルイシグアト
pp.11-19
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1438200656
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ここが変わった!
●過去のスタンダード
・慢性心不全は,左室駆出率40%未満のHFrEF,50%以上のHFpEF,40%以上50%未満のHFmrEFに分類され,推奨される治療指針が異なる.
・HFrEFでは,アンジオテンシン変換酵素阻害薬もしくはアンジオテンシンⅡ受容体遮断薬,β遮断薬,ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬を標準治療として導入する.
・HFpEFでは,確立した予後改善薬はなく,症状改善のための利尿薬と併存症に対する治療が推奨される.HFmrEFでは,個々の病態に応じて判断する.
●現在のスタンダード
・HFrEFの標準治療として,アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬,ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害薬が基本薬に位置づけられた.
・イバブラジンおよびベルイシグアトは,HFrEFの併用薬として,病態に応じて使用される.
・HFmrEFおよびHFpEFにおいて,SGLT2阻害薬の心イベント抑制効果が示された.
・HFrEF,HFpEFのカットオフと左室駆出率の意義が再考されるようになった.
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