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特集 炎症性腸疾患――診療と研究の最新情報
再生医療研究から生まれる将来の新規非薬物治療
The future direction of regenerative medicine for inflammatory bowel disease
清水 寛路
1,2
,
岡本 隆一
1
Hiromichi SHIMIZU
1,2
,
Ryuichi OKAMOTO
1
1東京医科歯科大学消化器内科
2同再生医療研究センター
キーワード:
粘膜治癒
,
腸管上皮幹細胞
,
再生医療
Keyword:
粘膜治癒
,
腸管上皮幹細胞
,
再生医療
pp.1063-1066
発行日 2021年3月13日
Published Date 2021/3/13
DOI https://doi.org/10.32118/ayu276111063
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炎症性腸疾患(IBD)は消化管に原因不明の慢性炎症と潰瘍を引き起こす難病であり,潰瘍性大腸炎とクローン病が代表的疾患である.IBDの罹患患者数は世界的に増加し,わが国においても増加し続けている.IBDは日常的にQOLを損ね,入院治療や手術治療が必要となることも少なくない.治療は免疫反応を抑制する薬剤が用いられ,副腎皮質ステロイド剤や免疫調節薬,あるいは近年開発された生物学的製剤が有効である.IBDの治療は長期寛解が期待できる “粘膜治癒” を目標とするが1-3),いずれの薬剤に対しても無効例や抵抗例が存在する.現在,粘膜治癒を達成するために,生物学的製剤を含む新規治療方法の開発が進行しており,本稿ではIBDに対する新しい非薬物治療,“再生医療” の取り組みについて概説する.
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