Japanese
English
特集 整形外科手術に活かす! 創傷治療最新ストラテジー
創傷治療における再生医療
Regenerative Therapy for Wound Healing
藤井 美樹
1
,
田中 里佳
1
Miki FUJII
1
,
Rica TANAKA
1
1順天堂大学大学院医学研究科再生医学/医学部形成外科学講座
1Graduate School of Medicine, Division of Regenerative medicine/School of Medicine, Department of Plastic and Reconstructive Surgery, Juntendo University
キーワード:
再生医療
,
regenerative therapy
,
創傷治癒
,
wound healing
,
幹細胞治療
,
stem cell therapy
Keyword:
再生医療
,
regenerative therapy
,
創傷治癒
,
wound healing
,
幹細胞治療
,
stem cell therapy
pp.1473-1478
発行日 2021年12月25日
Published Date 2021/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408202206
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
慢性創傷の創傷面(wound bed)ではさまざまな疾患の影響により,通常の創傷治癒過程が破綻している.線維芽細胞,ケラチノサイトや血管内皮細胞の増殖と遊走が低下するだけでなく,創傷治癒促進に重要な役割を担うサイトカイン分泌も低下している.これら細胞レベルでの微小環境(microenvironment)における創傷治癒過程の破綻は,一般の創傷管理では改善が困難であり,advanced therapy(補助治療)として再生医療による治療が選択肢となる.Microenvironmentの創傷治癒遅延の原因を理解し,それらを是正することが再生治療の役割の1つであると考える.
再生医療とは,臓器や組織が損傷,または機能低下や機能不全に陥った場合に「生体材料」「細胞成長因子」「細胞移植」を活用し,組織・臓器を修復・再生させる治療法のことである.しかしながら,慢性創傷は再生医療のみで治療できることは決してなく,基礎疾患のコントロールや末梢血行再建などを実施し,適切なwound bed preparationを施してこそ効果を発揮する治療であることを理解するべきである.
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.