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第6章 消化管
[炎症性腸疾患]オルガノイドシステムを利用した難治性炎症性腸疾患の再生医療
岡本 隆一
1
1東京医科歯科大学大学院 消化器病態学
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
Crohn病
,
粘膜治癒
,
自家腸上皮オルガノイド移植
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
Crohn病
,
粘膜治癒
,
自家腸上皮オルガノイド移植
pp.586-589
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika134_586
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Summary
・炎症性腸疾患は潰瘍性大腸炎とCrohn病の2疾患が主である.いずれも若年世代に発症し,消化管粘膜に慢性炎症と組織破壊が生じる.
・炎症性腸疾患の治療において損傷した粘膜の再生・修復が完了した「粘膜治癒」の達成は予後の改善に寄与する.
・腸上皮オルガノイドは幹細胞機能を有する細胞群を含みながら培養・増幅することが可能であり,かつ炎症で損傷した粘膜を修復する機能を備えている.
・オルガノイドシステムを再生医療に用いるFirst-in-human(FIH)試験として,潰瘍性大腸炎を対象とした自家腸上皮オルガノイド移植の臨床研究が実施されている.
© Nankodo Co., Ltd., 2024