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第10章 腎臓
[腎再生]腎臓領域における再生医療の最前線
中島 歩
1
,
内村 幸平
1
1山梨大学大学院 総合研究部医学域腎臓内科学
キーワード:
再生医療
,
iPS細胞
,
腎臓オルガノイド
,
間葉系幹細胞(MSC)
Keyword:
再生医療
,
iPS細胞
,
腎臓オルガノイド
,
間葉系幹細胞(MSC)
pp.784-787
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika134_784
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Summary
・iPS細胞を用いた腎臓オルガノイドの分化誘導法は,主に日本人研究者によって開発されてきた.
・腎臓オルガノイドは非常に小さいため,現時点では治療に用いることはできないが,患者由来のiPS細胞を用いて,疾患を再現するオルガノイドをつくることで,病態の解明や有効な治療法の確立が可能になってきた.一方,成体の骨髄や脂肪などに含まれる間葉系幹細胞(MSC)は,炎症やアポトーシスを抑制する能力を有しており,損傷組織の修復に働く.
・現在,MSCを用いて腎機能の低下を抑制させる臨床試験が実施されている.
・MSCを用いたこのような治療法は「先制的再生医療」に位置づけられている.
© Nankodo Co., Ltd., 2024