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特集 炎症性腸疾患――診療と研究の最新情報
炎症性腸疾患におけるレジストリ研究
-――明らかになる臨床課題
Registry studies in inflammatory bowel disease
――What clinical challenges are to be revealed?
松岡 克善
1
Katsuyoshi MATSUOKA
1
1東邦大学医療センター佐倉病院消化器内科
キーワード:
レジストリ
,
コホート
,
QOL
,
患者報告型アウトカム
Keyword:
レジストリ
,
コホート
,
QOL
,
患者報告型アウトカム
pp.1060-1062
発行日 2021年3月13日
Published Date 2021/3/13
DOI https://doi.org/10.32118/ayu276111060
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レジストリ研究とは,ある疾患の患者やある治療を受けた患者を登録し,経過,転帰などのデータを収集し,日常診療における治療成績,疾患経過などを解明することを目的とした観察研究である.炎症性腸疾患の患者数は増加し,治療選択肢も急速に増えている.この診療環境の変化が患者の予後に影響を与えたのかを明らかにするために,レジストリ研究は重要である.また,炎症性腸疾患にはさまざまなライフステージの患者がおり,さらに炎症性腸疾患は患者のライフイベントやライフスタイルにも影響する可能性がある.そのため,患者報告型アウトカムを中心とした患者中心型レジストリも注目されている.現在,国内ではクローン病新規診断患者を対象としたレジストリ研究,潰瘍性大腸炎患者を対象とした患者中心型レジストリ研究が行われている.これらの研究からは,炎症性腸疾患治療の最適化や患者QOL(quality of life)の向上につながる結果が得られると考えている.
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