特集 IBD診療―ますます増えた薬剤の選択とさらなる進化の展望
3.これからの新しい医療に対する展望(3)腸管上皮再生医療(腸管上皮オルガノイド移植)
清水 寛路
1
1東京医科歯科大学消化器内科
キーワード:
炎症性腸疾患
,
粘膜治癒
,
腸管上皮幹細胞
,
オルガノイド
Keyword:
炎症性腸疾患
,
粘膜治癒
,
腸管上皮幹細胞
,
オルガノイド
pp.199-204
発行日 2024年1月20日
Published Date 2024/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002933
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
炎症性腸疾患(IBD)の患者は本邦を含めて世界的に増加している.治療は5-ASA製剤のほか,副腎皮質ステロイド剤や,免疫調節薬,あるいは生物学的製剤とJanus kinase (JAK)阻害薬が用いられる.近年,生物学的製剤とJAK阻害薬の開発は目覚ましく,多くの新規薬剤が登場し,難治症例でさえも粘膜治癒を達成することが可能となった.有効性の高い薬剤がいくつも手に入るようになった一方で,なお各治療に抵抗性を示す難治例が存在する.本稿では,IBD治療のアンメットニーズを解消するため,開発が進められている再生医療について概説する.筆者らが取り組む腸管上皮再生医療は,腸管上皮幹細胞を体外培養したオルガノイドを用いる再生医療であり,現在進行形のfirst in humanの臨床研究についても紹介したい.
Copyright © 2024, Nihon Medical Centers, Inc. All rights reserved.