Japanese
English
TOPICS 循環器内科学
プロテインキナーゼNが関与する心不全の新規メカニズム
PKN-mediated gene expression in heart failure
竹藤 幹人
1
Mikito TAKEFUJI
1
1名古屋大学大学院医学系研究科循環器内科学
pp.1067-1068
発行日 2021年3月13日
Published Date 2021/3/13
DOI https://doi.org/10.32118/ayu276111067
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慢性心不全の内服治療薬としてβ遮断薬及びアンジオテンシン受容体阻害薬の有効性が1980年代に報告されたが,慢性心不全患者数と死亡者数は増え続けているのが現状であり,新たな治療法の開発が期待されている.プロテインキナーゼによるタンパク質のリン酸化は,細胞外および細胞内シグナルに応答する重要な細胞内メカニズムであり,心不全では病的なリン酸化が生じていることが知られている.心不全をもたらすメカニズムはその予後を改善させることが期待され,プロテインキナーゼは治療ターゲットとして注目されている.低分子量GTP結合タンパク質RhoAは細胞遊走や細胞増殖を制御し,その標的分子であるRhoキナーゼは基質のリン酸化を引き起こし,心血管疾患の発症と深く関連している1).プロテインキナーゼN(PKN)はRhoAにより活性化されるキナーゼとして報告されたが2),その機能は不明であり,PKNの機能解析は新たな病態解明につながると考えられている.
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