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特集 免疫チェックポイント阻害薬のirAE(免疫関連有害事象)
【注意すべきirAE】
免疫チェックポイント阻害薬による下痢/大腸炎
Diarrhea/colitis due to immune checkpoint inhibitor
山﨑 嵩之
1
,
加藤 健
1
Takayuki YAMAZAKI
1
,
Ken KATO
1
1国立がん研究センター中央病院頭頸部内科,同消化管内科
キーワード:
免疫関連有害事象(irAE)
,
大腸炎
,
ステロイド
Keyword:
免疫関連有害事象(irAE)
,
大腸炎
,
ステロイド
pp.774-777
発行日 2021年2月20日
Published Date 2021/2/20
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27608774
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免疫チェックポイント阻害薬(ICI)はさまざまながん種で適応を拡大しており,臨床における使用頻度も増えてきている.それに伴い免疫関連有害事象(irAE)の頻度も増しており,そのなかでも下痢/大腸炎はとくに抗CTLA-4抗体による頻度が高く,重症化しうる重要なirAEのひとつである.主な症状は下痢であり,ICIを投与中あるいは投与歴がある患者に下痢,腹痛や血便などの消化器症状がみられる場合は,irAEの下痢/大腸炎を鑑別し,速やかに診断と治療を行うことが重要である.診断には便培養検査,採血,CTなどに加え,下部消化管内視鏡が用いられ,病理組織検査が有用な場合がある.治療は有害事象共通用語規準(CTCAE)による重症度分類に基づいて行われ,ステロイドやインフリキシマブがキードラッグとなる.ICIの再投与は十分なコンセンサスが得られていないが,再燃のリスクを考慮して慎重に行われる必要がある.
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