連載 Focus On
免疫チェックポイント阻害薬の副作用
-臓器別頻度や出現時期にfocusして
平田 彩
1
1杏林大学医学部付属病院呼吸器内科
キーワード:
免疫チェックポイント阻害薬(ICIs)
,
免疫関連有害事象(irAE)
Keyword:
免疫チェックポイント阻害薬(ICIs)
,
免疫関連有害事象(irAE)
pp.1341-1346
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_1341
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近年,免疫チェックポイント阻害薬(ICIs)は肺がん分野においてガイドラインの推奨度も高く,適応拡大が進んでいる.一方で,ICIsによる治療では従来の抗がん薬による有害事象とは異なった免疫応答の破綻によって自己免疫疾患様の症状を引き起こす免疫関連有害事象(irAE)が出現することが少なくない.皮膚障害,肺障害,肝炎や腸炎および肝機能障害などの消化管障害,甲状腺機能や副腎機能に障害をもたらす内分泌障害が多くみられ,重症化や死亡例も報告されている.irAEが出現すると,治療効果や予後の延長をもたらすことが示されているが,臓器別の頻度や出現時期は報告が少なく,さらに治療効果や予後への影響も報告は少ない.しかし,さらなる需要が高まっていくなかで,irAEの臓器別頻度や出現時期は知識として身に付けておくべきである.当院でのICIsを使用した症例について後方視的な検討も含めて報告する.
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