Japanese
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特集 免疫チェックポイント阻害薬のirAE(免疫関連有害事象)
【注意すべきirAE】
神経疾患・筋疾患
Neurological and muscular disorders occurred as irAEs
鈴木 重明
1
Shigeaki SUZUKI
1
1慶應義塾大学医学部神経内科
キーワード:
自己免疫性脳炎
,
髄膜脳炎
,
多発神経根炎
,
PD-1ミオパチー
,
抗横紋筋抗体
Keyword:
自己免疫性脳炎
,
髄膜脳炎
,
多発神経根炎
,
PD-1ミオパチー
,
抗横紋筋抗体
pp.778-781
発行日 2021年2月20日
Published Date 2021/2/20
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27608778
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免疫関連有害事象(irAEs)として発症する神経疾患や筋疾患は,免疫チェックポイント阻害薬(ICIs)を使用したがん患者の3~5%に発症し,診断が難しく,また重篤な場合が多いので,脳神経内科医との連携が重要である.中枢神経疾患では,自己免疫性脳炎や無菌性髄膜炎など髄膜脳炎が中心である.症状が多彩であり,傍腫瘍症候群など他疾患との鑑別診断が難しい.末梢神経疾患の多くが感覚神経障害であるが,まれにギラン・バレー(Guillain-Barré)症候群や慢性炎症性脱髄性多発根神経炎など重篤な運動神経障害を呈し,多発神経根炎として一括できる.筋疾患では重症筋無力症(MG)と筋炎が代表的であるが,両者の特徴を併せ持つ場合が多く,PD-1ミオパチーとして単一の疾患として考えることができる.いずれの場合でも,脳神経内科医が日常的に経験する臨床像とは異なる点が多いのが特徴である.ICIsを中止し,ステロイド治療による治療が必要であり,治療反応性は概して良好である.
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