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第5土曜特集 内分泌疾患の温故知新――日本内分泌学会創設100周年を目前にして
内分泌疾患と診療科連携
免疫チェックポイント阻害薬による内分泌代謝障害
Endocrine dysfunction associated with immune checkpoint inhibitors
岩間 信太郎
1
Shintaro IWAMA
1
1名古屋大学医学部附属病院糖尿病・内分泌内科
キーワード:
免疫関連有害事象(irAE)
,
PD-1
,
CTLA-4
,
下垂体
,
甲状腺
Keyword:
免疫関連有害事象(irAE)
,
PD-1
,
CTLA-4
,
下垂体
,
甲状腺
pp.826-830
発行日 2024年8月31日
Published Date 2024/8/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290090826
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免疫チェックポイント阻害薬(ICI)を用いたがん免疫療法では,免疫機序を介すると考えられる有害事象〔免疫関連有害事象(irAE)〕が発生する.irAEは全身で認められるが,なかでも内分泌障害の頻度は高く,下垂体障害や1型糖尿病は適切に対処されなければ重大な転帰をたどることもある.一方,下垂体障害,甲状腺障害発症者は非発症者と比べ生命予後が延長する.irAE発症者において種々の自己抗体の存在が報告されており,一部は高リスクマーカーとなる可能性がある.また,irAEは各臓器における自己免疫疾患と類似する特徴を有することから,その発症機序の解明は原因不明の自己免疫性内分泌疾患の病因解明につながることが期待される.拡大するがん免疫療法において,内分泌irAEの特徴を理解して適切に対処することは,臨床的に極めて重要であり,高リスクマーカーの開発や発症機序の解明が今後期待される.
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