特集 腫瘍随伴症候群とオンコロジーエマージェンシー―病態や治療に伴う多彩な症状
トピックス:薬剤の特性から考えるオンコロジーエマージェンシー
免疫チェックポイント阻害薬によるオンコロジーエマージェンシー
千葉 真士
1
,
前門戸 任
1
1岩手医科大学呼吸器・アレルギー・膠原病内科学講座
キーワード:
免疫チェックポイント阻害薬
,
免疫関連有害事象(irAE)
,
オンコロジーエマージェンシー
Keyword:
免疫チェックポイント阻害薬
,
免疫関連有害事象(irAE)
,
オンコロジーエマージェンシー
pp.1651-1656
発行日 2019年8月1日
Published Date 2019/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_1651
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Summary
▪免疫チェックポイント阻害薬(ICIs)はさまざまながん種の治療を一変させた.
▪免疫チェックポイント蛋白質である細胞傷害性Tリンパ球抗原4(CTLA-4)とプログラム細胞死蛋白質1(PD-1)は細胞傷害性T細胞の表面で発現する受容体である.これらの免疫チェックポイント蛋白質は,がん細胞が細胞傷害性T細胞による攻撃を回避する免疫応答経路を制御している.ICIsはこのシグナル伝達を阻害する.
▪免疫チェックポイント阻害療法は持続的臨床効果が多くみられるにもかかわらず,その使用には細胞傷害性抗がん薬による化学療法などの他の全身療法とはまったく異なる一連の副作用(免疫関連有害事象(irAE))を伴い,死亡例も報告されている.irAEの早期診断と適正なマネジメントがICIsの効果を享受するためにも重要視されてきている.
© Nankodo Co., Ltd., 2019