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第1土曜特集 My Medicine(マイ・メディシン)――オルガノイド研究が拓く新しい医療のかたち
癌研究の観点から
乳腺のオルガノイドによるマイ・メディシン
-――がん幹細胞研究の立場から
My medicine by using mammary gland organoids from the view point of cancer stem cells
後藤 典子
1
Noriko GOTOH
1
1金沢大学がん進展制御研究所分子病態研究分野
キーワード:
がん幹細胞
,
ニッチ
,
patient-derived xenograft(PDX)
,
ニューロピリン(NP)1
,
インスリン様受容体1(IGF1R)
,
MCM10
Keyword:
がん幹細胞
,
ニッチ
,
patient-derived xenograft(PDX)
,
ニューロピリン(NP)1
,
インスリン様受容体1(IGF1R)
,
MCM10
pp.609-615
発行日 2021年2月6日
Published Date 2021/2/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27606609
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乳腺組織は,見事な枝分かれ構造をしており,古くより発生生物学的な視点からオルガノイド培養が行われ,マトリゲルを最初に使用するなど,現在のオルガノイド培養の原点となる研究が行われてきた.その後,幹細胞生物学の進展により,スフェロイド培養も多く行われるようになり,がん生物学の基本概念に変革をもたらした “がん幹細胞” の概念の確立におおいに役立ってきた.筆者らも,乳がん患者由来細胞のスフェロイド培養を用いて,がん幹細胞とそのニッチの相互作用などについて,いくつかの知見を得ることができた.最近,ヒト乳がんおよび乳腺のオルガノイド培養系が確立され,より分化した組織を構築することが可能となった.これらの系を活用してさらに研究を推進することにより,乳がん患者個人に最適の医療を提供する精密医療が可能になる日がくるのもそう遠いことではないであろう.
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