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第1土曜特集 My Medicine(マイ・メディシン)――オルガノイド研究が拓く新しい医療のかたち
癌研究の観点から
大腸オルガノイドをはじめとするオルガノイド培養系の抗がん剤スクリーニング系への応用
Application of organoid culture system including colon cancer organoid for antitumor agent screening system
新家 一男
1
,
加賀谷 紀貴
1
Kazuo SHIN-YA
1
,
Noritaka KAGAYA
1
1産業技術総合研究所細胞分子工学研究部門
キーワード:
表現型スクリーニング
,
スフェロイド培養
,
がん幹細胞
,
間質反応
,
がん微小環境
Keyword:
表現型スクリーニング
,
スフェロイド培養
,
がん幹細胞
,
間質反応
,
がん微小環境
pp.616-621
発行日 2021年2月6日
Published Date 2021/2/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27606616
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多くの抗がん剤が開発されているにもかかわらず,がんはいまだアンメットメディカルニーズの筆頭である.その大きな原因として,これまでの抗がん剤開発において生体内の環境を反映したin vitroのモデルが存在しなかったため,主として樹立細胞株を用いた二次元培養系で化合物の活性評価が行われてきたことがあげられる.また,近年のがん研究の発展に伴って,がん幹細胞の存在が抗がん剤耐性,造腫瘍,転移の要因となることが示され,がん治療における大きな課題となっている.また,オルガノイド培養系を用いることにより,生体内のがん微小環境をより正確に模したがん組織の構築が可能であり,がん組織への薬剤透過性を含めた,微小環境による薬剤耐性を評価することが可能になってきている.本稿では,がん幹細胞およびがん微小環境に焦点を当て,オルガノイド培養系を応用した抗がん剤開発を目的としたアッセイ系の構築,および得られた活性物質について紹介する.
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