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第1土曜特集 My Medicine(マイ・メディシン)――オルガノイド研究が拓く新しい医療のかたち
創薬研究の観点から
腸管オルガノイドによるマイ・メディシン
Bio-medical applications in human gut organoids
阿久津 英憲
1
Hidenori AKUTSU
1
1国立成育医療研究センター研究所再生医療センター生殖医療研究部
キーワード:
腸管オルガノイド
,
多能性幹細胞
,
トランスポーター
,
CYP3A
Keyword:
腸管オルガノイド
,
多能性幹細胞
,
トランスポーター
,
CYP3A
pp.628-633
発行日 2021年2月6日
Published Date 2021/2/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27606628
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経口薬の体内へのファーストゲートは小腸であり,薬物動態スクリーニング系のヒト小腸の試験管内代替モデルとしてヒト結腸癌由来の細胞株であるCaco-2が活用されている.しかし,Caco-2は代謝機能を有さない点やバリア性に小腸との同質性に課題がある.そこで,ヒト消化管の機能性を試験管内に再現する新たなバイオモデルとして多能性幹細胞から作製する腸管オルガノイドが着目されている.薬物動態に関連する腸管のトランスポーターや代謝酵素の発現動態の小腸との類似性が腸管オルガノイドで認められる.腸管オルガノイドはヒト腸管発生の安定的なモデルとなるだけでなく,それぞれの特性を活かして,消化管関連の難治性疾患や機能不全の診断や,治療法開発に応用できるバイオツールである.本稿では,腸管オルガノイドの薬物動態研究への可能性について概説する.
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